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Soyのブログ

ACTH単独欠損/続発性副腎不全

長年医者に見落とされ続けた体調不良が難病だと判明した

10数年前、高校生の頃から、体がどんどん疲れやすくなった。1kmほど歩くと息が切れてクタクタになるし、キャンプに行ったら2週間ほど寝ても疲れが取れなかった。胃炎も発症したので、病院をいくつか周ったが、血液検査の結果アレルギー以外に特に異常はなく、ストレスでしょう、と診断され、抗鬱剤を出された。しかし、疲れやすさはまったく改善せず、抗鬱剤の副作用がしんどさに輪をかけた。

 

体調はどんどん悪化して、大学受験の頃は二日連続の模試を完全に受けられたことはなく、1日目を受けたら疲れて一週間ほど寝込んでいた。辛うじて大学に入ったが、そこは自転車必須の広大なキャンパスの大学だった。入学後、講義と講義の間の自転車移動が必須であることが分かり、疲れが取れる間もなく疲れが蓄積していった。更に、元々アレルギー体質だったが、一気に悪化し、花粉症、アトピーや日光過敏症、食物アレルギー、喘息をすべて発症・悪化した。アレルゲンに曝された日は、クラクラとし、頭も体も言うことを聞かず、ついに休学した。休学の際には、うつ病という診断名で診断書を出すことになった。

 

休学中、担当の精神科医は、わたしはうつ病ではないと言った。わたしの症状が、うつ病には厳密には当てはまらない、と言う。

「では、わたしのしんどさは何なのですか」

と質問すると、

アイデンティティークライシスじゃあないか」

と言う。

「本当に体がしんどいんです」

と訴えたが、

「たまにはあんたも頑張らないかん」

と返され、わたしはなぜ皆のように頑張れないのだろう、と自分を責めた。内科などに掛かって、

「疲れやすいんです。でも身体的問題が一番辛いので、うつ病ではないと思うのです。他の病気がないか調べてください」

と言うと、

「女の人は若いころはホルモンが不安定なので、そのうち落ち着きますよ。」

と返されて、検査もしてもらえなかったり、

「精神科に掛かってるなら精神から来てるものだと思いますよ、はいもう次の人待ってるので」

と、邪険に扱われたりもした。結局、唯一体がしんどいということを信じてくれた漢方医の元で、慢性疲労症候群の疑い、ということで治療をすることになった。漢方は、効果があった。でも、寝たきり→ 週2日起きてられる というレベルに改善した程度で、とても普通の生活を送れるレベルではなかった。

 

父親はずっと、わたしが希望の大学に行けなかったから、大学自体を拒否しているのだと決めつけていた。そうじゃない、体がしんどいんだ、と症状を挙げていくと、大げさだ、そんだけ訴えられるなら元気だろう、と鼻で笑われた。わたしが寝込んでいるところも見ているはずなのに、家族はわたしの体調の悪さを、結局最後まで詐病か非常に大げさなものとして扱った。

 

休学期間は上限で2年まで、という規定があったので、無理をして復学した。休学前よりは大分体調もマシだったが、体力的に常に限界だった。二年も学年を降りているということも相まって、復学後は色々と理不尽な扱いを受けた。留年や精神病の肩書きは、スティグマなのだなあ、と感じる、屈辱的な出来事が沢山あった。体もボロボロだったが、それより周りからの扱いの方が辛かった。満身創痍でなんとか卒業した。それからずっと、色々な治療を試しながら細々と生きてきた。

 

今年になって、若い医者の卵と話す機会があった。彼女も、病名がはっきりしない関節の痛みで苦しんでおり、また同業者から(特に精神科医でない医者から)精神的な病気と決めつけられ、苦しんでいるようだった。彼女はわたしに、あなたは湿疹とかも出ているし、心拍数なども高いし、一般的な状態じゃないと思う。特に難しい症状の場合、その分野の一流のお医者さんを探さないといつまでたっても診断つかないよ、とアドバイスをくれた。

 

彼女の助言に従って、わたしは一流の医者を探すことにした。自分の症状から、病気をいくつかに絞り込み、その病気に関する論文や治療指針を書いている医者の診察を受けた。自分で絞り込んだ病気は検査で否定されたものの、細かく血液検査してくれて、結果を受けて検査入院を勧められた。

 

検査入院の結果、ACTH単独欠損症(続発性副腎不全とも呼ばれる)という病気だった。これは特定疾患にも指定されている難病で、副腎からステロイドホルモンが出なくなるものだ。アレルギーが酷いのも、肌が敏感になるのも、胃炎も、頭がフラフラするのも、ぜんぶこのせいだったようだ。副腎から出る糖質コルチコイドというステロイドには、アレルギーを抑える作用や血糖値が下がり過ぎた時に上げる作用があり、健康な人はこれが生理的に分泌されている。このホルモンが足りないと、疲れやすくなり、頭が働かなくなり、酷い場合は死に至る。

 

治療として足りないホルモンを内服して補うようになってから、わたしは生まれ変わったように元気になった。上で挙げた以外の、多岐に渡る症状(不整脈、関節炎、肩こり、浮腫など)もかなり改善した。何より良かったのが、人に自分の状態を説明しやすくなったことだ。明確な診断が付く前は、自分でも自分の生活習慣が悪いのか、と責めているところはあったし、自己管理がなっていないと説教されても言い返す言葉もなく辛かった。

 

どうしてこれまで掛かった医者は、この項目の血液検査をしてくれなかったのだろう、と思うけれど、結構誤診されやすい病気ではあるらしい。もし異常にアレルギーが重くて、疲れやすいなら、血液検査でACTHとコルチゾールの値も調べてもらったら良いと思う。コルチゾールが早朝に2桁なかったら、副腎に詳しい内分泌科に行くと良い。内分泌科でも、わたしが一つ目に掛かったところは副腎に全然詳しくなく、現在の基準では引っかかるはずの値に異常無しとか言っていたから、くれぐれも良い先生を選んで欲しい。

 

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