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Soyのブログ

ACTH単独欠損/続発性副腎不全

副腎不全に関する正確な情報・副腎疲労という概念について

副腎疲労という概念について

この記事の続き。

  • イギリスの内分泌学会による患者向けの副腎不全の説明

【PDF】http://www.endocrinology.org/policy/docs/11-03_adrenal%20insufficiency.pdf

副腎疲労(Adrenal fatigue)という概念がわざわざ否定されている。以下一部を抜き出す。

 

Only patients who have been conclusively diagnosed with adrenal insufficiency, as described above, should receive adrenal hormone replacement therapy as advised by an endocrinologist. A normal adrenal gland does not need supplements to function properly and there is no recognised medical condition called “adrenal fatigue”, the adrenal glands cannot be “fatigued”. Either the adrenal is fine and needs no treatment or there is adrenal insufficiency due to adrenal or pituitary failure, as measured by an endocrinologist. Taking adrenal hormones or so-called “adrenal supplements” that may contain active adrenal hormone extract when they are not needed means that the adrenal glands of that individual may become incapable of producing sufficient hormones when they are needed, as described above for the deep sleep of the adrenals caused by synthetic steroids. 

 

訳:

上記の方法で副腎機能低下と確定診断された患者のみが、内分泌科医の指導の下、副腎皮質ホルモン補充療法を受けるべきである。正常な副腎は機能するためにサプリメントを必要せず、”副腎疲労"と呼ばれる疾患概念は正式には認められていない。副腎は”疲労”しない。副腎は健康で治療が必要ないか、副腎そのものか下垂体が原因で副腎機能が低下しているか、のいずれかである。副腎機能の低下は内分泌科での検査によって判明する。副腎皮質ホルモンや副腎皮質ホルモンを含む可能性のある”副腎サプリメント”と呼ばれるものを不必要にも関わらず摂取すると、上で述べたように、副腎機能が停止し、その人の副腎が必要な時に十分な副腎皮質ホルモンを生産できなくなる危険があるということだ。

 

  • アメリカの内分泌学会による副腎疲労の否定の記事

Adrenal Fatigue Myth vs Fact | Hormone Health Network

 副腎疲労という概念が嘘であるということを説明している。

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副腎疲労の治療を謳っているクリニックは、「副腎疲労という概念をまだ知らない医師も多い」「アメリカでは一般的」などと説明していることが多い。しかし、アメリカでもイギリスでも、内分泌学会は明確に副腎疲労という概念を否定している。

 

少なくとも副腎不全に関しては、英語圏の方が患者向けの正確な情報というものが得やすいと感じた。様々な公的機関が、病気の原因、症状、治療方法を素人にも分かりやすくまとめた文書をインターネット上で公開しており、さらにその中で副腎疲労という概念を否定している。副腎がコルチゾールを生産するメカニズムをある程度理解すると、副腎疲労という概念に論理的整合性がないことが分かるので、こういった文献に簡単にアクセスできるという状況を作ることが悪質な医療を蔓延らせないために重要なのではないかと思った。

 

わたしが一番心配しているのは、副腎不全の患者さんが副腎疲労との名目で治療される可能性だ。副腎疲労の症状として挙げられているのは副腎不全の症状そのものなので、思い当たるならば、ぜひ内分泌科、できれば続発性副腎不全の治療経験のある医師の下で治療を受けて欲しい。

 

後日さらに続きを書く。

 

11/23追記: 抜き出した記事の一部を翻訳し、付け足した。